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Dick Van Straalenなどを扱うhttps://alternative-mart.com/の情報掲載及びブログ読者のサーフィンライフ向上を共に願うオルタニズムかつミニマリズムなライフハックレコメンドブログ

Hullの歴史⑤Dispalcement hull

※2021/5/1 加筆

1968年はサーフボードデザインにおいて

非常に混沌としていた時期であった。

プエルトリコで行われた世界選手権では

長さが6~8フィートと

様々なデザインのボードが使用されていた。


Mundiales de Surfing 1968 Rincon,Puerto Rico Part 1

この年の夏にナット・ヤングは

グリーノウから譲り受けたテンプレートで

自作のHullを作りマリブでサーフィンした。

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1968年マリブでのナット・ヤング

このボードのスペックは

長さが7'10前後、幅が21~22、

ワイデストが前気味でストリンガーレス仕様

ボトムには強いロールが施されていた。

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ナット・ヤングと自作のグリーノウHull


Evolution Trailer (1969)

このサーフィンを見て衝撃を受けたのが

かのグレッグ・リドルである。

リドルはイエーターやグレッグ・ノールなど

ロングボードシェイプの影響下にあったが

この時見たナット・ヤングのサーフィンと

グリーノウの影響下のHullに心奪われた。

それを再現すべくリドルが作るボードは

長くなったり短くなったり

厚みは減ったり増えたり

ワイデストは前に行ったり後ろに行ったりと

実験の日々が始まった。

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映画Cosmic Childlenより

Displacement Hulls at Malibu, 1969 on Vimeo

vimeo.com

その後リドルはハワイに移住。

現地の波に合わせる為に

彼が作るボードのロッカーは強められ

パドリングスピードの為に

以前よりも厚みや長さは増やされた。

それらをフィードバックされたボードは

実験期の頃より遙かに乗りやすくなった。

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グレッグ・リドルは68年のマリブで見た

ナット・ヤングのサーフィンを追求する内に

displacement hullというジャンルを作り出し

21世紀に引退するまで

自らと顧客の為にボードを作り続けた結果

それは一種のカルチャーにまで達し

世界各国に飛び火するまでになった。

 

と、ここまでがHullの主な歴史になりますが

色々書いても皆様の中には

まだ疑問が残っていると思います。

そもそも

displacement hullって何?

それは排水量型船体という事です。

www.yamaha-motor.co.jp

例えば昔ながらの帆船の様に

ゆっくり走る設計の船が

排水量型船体なのですが

 

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Hampton Nautical Pacific Sailer セイルボート 17インチ ホワイト

これは停船時と走行時の

船の姿勢が変わりません。

ディスプレイスメントハルの

サーフボードの場合は

通常のサーフボードよりもロッカーが弱く

コンケーブやレールのエッジ等と言った

揚力を発生させる部分が少ないので

テイクオフ後もボードがあまり浮きません。

この感覚が通常のサーフボードとは違うので

ディスプレイスメントハルに慣れない人は

レールを食わせすぎて転ぶのです。

※全てのサーフボードは

テイクオフした後

パドルをしなくても滑走状態で進む為

レーニングハルと言えます。

 

じゃあなんでこんなコンセプトにしたか?

私の考えだと

波のカールを維持しつつ

ポイントブレイクの波に合わせた

長いターンをする為では?


Liddle Hull - puredirttwo

その為にはボトムターン時に

出来るだけ多くのレールラインを

水中に長く留める必要があります。

従来の形状の

レールラインが短いボードや

揚力が強いボードでは

そのようなターンが出来ません。

dispalcement hullのシェイプの特徴としての

・ボード全体を貫くコンベックス

・ラウンドノーズ

・前にあるワイデストポイント

・極薄でエッジ部が極小のレール

これらは全てその為にあります。

 

ボードのワイデストポイントを

センターよりも前に置く事で

ワイデストからテールに向かう

レールラインを長くする事が出来ます。

レールが接水する部分が長いと

その分水の抵抗が増えて

レールが水から抜けにくくなります。

それがDisplacement hull特有の

長いターンをし易くするのです。

 

このような独自のHullを作った

グレッグ・リドルやクラウス・ジョーンズ、

ライダーとしてのカーク・プットナム等は

Hull第2世代と言えます。

このHull第2世代は長年ずーっと地下に潜り

活動していたような物ですが

2000年代に入り新たにHullをフォローした

マニー・カロ等が第3世代

現在のSea love surfboardsのジャック等が

第4世代とカテゴライズしてみました。

naminorimatome.hatenablog.com

以上でHullの歴史シリーズが終わりますが

思っていたより大変な作業でしたorz

Alternative Martでは

更にHullを追求していきますよ!

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Blue. (ブルー) 2021年2月号 No.86 [雑誌]

 

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